「触れること」「触れられること」の豊かさをすべての人に
赤ちゃんは、愛あるタッチによって育まれます。未熟児で生まれた赤ちゃんにタッチケアを施すと一日当たりの体重増加が増すことが知られています。
現在では、多くの産院でお母さんにベビーマッサージの講習が行われるようになりました。ただ単に消化器や呼吸器の発達が促されるから、という身体的な理由だけではありません。タッチによって親子の絆が育まれるからです。タッチには、本能的な絆を育む力があるのです。

愛あるタッチで触れられることは、人間として生まれて生きていくための基本的な欲求です。そして、「触れること」と「触れられること」は、いつでも同時に起こっています。私たちは、触れられたいと渇望し、触れたいと熱望する存在です。

私たちは幸福になりたいと願います。そしてどの人も幸福になるために生まれてきました。幸福感を成就させるために「触れること」「触れられること」が欠かせない要素であることを忘れるわけにはいきません。

現代社会は、産業の発達によって便利で快適な生活を実現したかのようですが、果たして、ひとりひとりの内側の幸福感は増大したのでしょうか？　むしろ、個人の心身には過大な緊張やストレスが課されるようになりました。

その苦しみの緩和のために多くの人たちが、タッチを求めています。町には、多くのリラクセーションサロンや治療院、整体院、マッサージサロンが誕生し、さまざまな手技が開発され、実践されています。

しかし、「誰もが、生きていくために愛あるタッチが必要」ということに十分に意識が向けられているでしょうか？　手技の「技巧」のよしあしだけが問題にされがちです。

また、十分な教育を受けていない施術者が多く生み出され、不安と戦いながら施術をこなしていることも多々あるといえるでしょう。そしてその結果、施術者自身が心身のバランスを崩していくことも多いのです。

大人になると、愛あるタッチは不要になるのでしょうか？　訪れた施術者の手技の技巧が優れてさえいれば、求めた満足は得られるのでしょうか？　加えて、手技の基本的技巧のよしあしさえ、担保されていません。

当協会は、ゆったりセラピーと総称するタッチとタッチの技巧の伝授を通して、「触れられること」「触れること」の豊かさをすべての人に提供するために誠心誠意、活動します。

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