筑波大学は、1983年より陽子線治療の本格的臨床研究を始め、国内で最も長い歴史と多くの優れた実績を持っています。特に、肝臓がんなど体の深部に発生したがんに対しては、世界に先駆けて陽子線治療を行っており、その治療法は現在、世界のスタンダードとして高い評価を受けています。
陽子線治療は、病巣のみにピンポイントで陽子線を照射でき、まわりの正常な細胞を傷つけることなく、副作用も軽くすむことが大きな特徴です。体への負担が少ないため、心臓病などほかの病気を併発している高齢の方や体力のない方にとっては大変有効な治療法といえましょう。また、将来のあるお子さんや若年の方にとっては、成長・生育を妨げるリスクが低く、二次がんの予防という観点からも有用な治療方法です。
当センターは、筑波大学附属病院に併設されているため、内科や外科などさまざまな分野の専門医師や医療スタッフと密接な連携を取りつつ、複合的な観点から最適な治療法をチームで提供している点も大きな特徴です。病名は同じくがんであっても治療法は患者さんごとに異なります。病状や年齢、体力、さらには治療に対する考え方など、患者さんの体と心をよく診て、その方にとってベストな方法を提供することが最も重要と考えております。
現在、がんの治療は、手術や化学療法、放射線治療などの治療法の良い部分を集めて患者さんの治療にあたる集学的治療が主体となっています。陽子線治療も、集学的治療の一部として機能することで、患者さんの生活の質(QOL:quality of life)の維持に寄与できると思います。
より多くの患者さんにお役に立つ陽子線治療を目指して日々の診療や研究に勤しんでおります。陽子線治療をお考えの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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