大阪回生病院リハビリテーションセンター 技師長/理学療法士
森 憲一
京都府出身。平成10年 PT免許取得後、田原病院を経て 平成16年大阪回生病院入職。平成25年 同技師長 及び 神戸大学臨地准教授に就任。現在まで、PT・OT・ST・柔整・鍼灸の大学及び養成校 14校 延べ20学科の授業を担当し、現在 養成校7校の教壇に立つ。徒手・脳卒中・地域・臨床教育 合計4種の認定理学療法士資格を取得し、これまで(公社)全国理学療法士協会及び(公社)大阪府理学療法士会 主催講習会にて教育に従事。摂食・嚥下障害、メンズ&ウィメンズヘルス、運動器疾患、脳血管疾患、呼吸 合計5つの現職者講習会 講師を経て、現在3つの講習会を担当している。主な講義・研究は、『骨格筋の基礎知識と臨床応用』『摂食・嚥下障害の評価と治療』『脳卒中の評価と治療』『股関節疾患に対する評価と治療』『臨床現場における教育』『職場におけるマネジメント』『メンズヘルス・ウィメンズヘルス』であり、現在まで13本の執筆・投稿・監修・Web教育システムへの投稿を行っている。
- 現場における自身の強み -
高品質な人材へのスタッフ育成(現在、セラピスト31名中52%のあたる16名が異なる分野で養成校から依頼を受け講義。そのうちの3名は平昌パラリンピックの公式トレーナーとして帯同する。)
- 摂食・嚥下障害の方へのアセスメントで注意すべき視点 -
食事姿勢・食物残留音・呼吸状態の3点です。頸部が伸展した食事姿勢では、咽頭と気道が一直線となり誤嚥リスクが高くなります。それを防止するための座位姿勢調整が必要です。また、治療者・介助者が食事を口まで運ぶ場合、その軌跡により頸部の注意を払う介助方法が重要です。嚥下後、食材や水分が残存すると発声時に“うがい”様のゴロゴロとした音(湿性嗄声)が聴かれます。リスクが高い方には、頻回に発声での確認を行うか、頸部聴診が有効です。嚥下時には呼吸が一時停止します。ゆっくりとした呼吸では飲み込みは容易ですが、姿勢や疾患が原因で呼吸が浅い場合は注意が必要です。嚥下の前に、大きな呼吸ができる操作が必要です。
- 多職種協働で効果を出すためのコツ -
知識と技術の共有です。座位・臥位でのポジショニング・福祉用具の使い方の技術、リスク管理の知識の共有あります。施設内での勉強会は、これら知識と技術の共有には有効です。
- 今回の講演の中で一番知っていただきたいポイント -
食事前の姿勢調整・摂食動作(操作)・呼吸調整手技・ムセや誤嚥時の対処法など、次の日の仕事から直ぐに使える知識と技術です。
- メッセージ -
摂食・嚥下障害をシンプルに整理し、体験や実技を交え知識と技術をお伝えします。苦手意識がなくなり、明日からの仕事で使える知識と技術が増えます。患者様・利用者様を思う熱い気持ちを持った皆様と、一緒に勉強できることを楽しみにしています。