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姿勢保持は筋力低下やバランス不良だけではありません。身体機能だけでなく認知機能や知覚機能も大切な構成要素です。
今回は、前回お話した理論編を実際に実技として身に着けるための勉強会です。 実際にリアルセミナーで行っている内容を動画にし、講師と一緒に説明を受けながら実技の知識を身に着けていきます。 以下は、理論編と同じ文章になりますが大切な事ですので、よく読んでセミナーへご参加ください。 シーティングという座位アプローチを臥位からのポジショニングから行なう臨床技術を動画を用いて解説します。 みなさんは、シーティングやフィッティングを行なっていて、どうしても座ることが難しい症例や利用者と出会った事はないでしょうか。(関節拘縮が重度、傾きが強い、プッシャー現象、高次脳機能障害等の障害) そんな時、適切な訓練やケアの後に代償手段として、リクライニング車椅子やチルト車椅子を処方したリ、座位保持装置等の代償手段や環境調整を検討するでしょう。 この考えを払拭してください。 ポジショニングから身体の筋緊張のコントロール(リラクゼーションを含む)や身体輪郭や身体の軸意識等の感覚入力、関節可動域の改善を行なってから座位というシーティングに移行する訓練方法があります。 これが「ポジショニング To シーティング」アプローチです。 ポジショニングでは、全身圧特性を数mmHgの環境にし、宙に浮いている疑似的環境を作り筋緊張制御を行ないます。その結果、画像の症例の様に関節可動域が改善し、座位や起居動作ADLの獲得に繋がります。 無重力疑似空間がリラックス環境をつくり副交感神経が有意になります。 ■身体が反作用や圧を感じられない状態になる事で、身体はリラックス方向にベクトルを向け、副交感神経が優位となります。 ■副交感神経が優位になれば、交感神経支配から解放される事になります。この環境が作り出す事は、筋の緩み、筋緊張の緩和、心拍数・呼吸数の安定、摂食や排泄、睡眠等の改善です。
座る準備状態ために、ポジショニングで筋緊張を整える。 全身をリラックスさせて、呼吸、心拍数を落ち着かせて座る。そのために右図のような全身を受け止め、身体質量や重力を全て受容するようなポジショニング環境をつくります。 身体に影響する圧は数mmHgとなります。この環境で、座る前にまずは全身のリラクゼーションを図ります。 褥瘡予防に最も効果があるとされる「エアマット」は平均で11mmHg~24mmHgです。しかし、この研究環境は、なんと「3~10mmHg」という世界です。この圧特性が頭の先から足先まで連続した支持基底面を作ります。 マットレスの表面を知覚する事は、ほぼ不可能でしょう。という事は、皮膚は圧を知覚できない⇒脳は圧の入力を受けない⇒重力がないような錯覚へ入る
慢性期、起居動作、ADL全介助から座位自立と自発言動が表れた症例 ※※※このページにある画像を見てください。 症例の状態と、どのような変化が起こったかをご確認ください※※※ 慢性期で全介助の生活を6年間続けてきた女性で、全身の筋緊張が高く、拘縮していると判断されていた症例です。 関節拘縮や円背、側湾、失調症状、バランス不良、筋力低下、廃用症候群、褥瘡がある方や二次障害を重複している方です。周囲からのケアやアプローチは難渋し、シーティング技術だけでは座れない人はたくさんいらっしゃることでしょう。 その場合、リクライニング車椅子やチルトリクライニング車椅子が必須になりますが、とても高価なシーティングクッションや車椅子を購入する事になりますし、場合によっては座位保持装置の申請も必要になるでしょう。(現在は介護保険のレンタルもありますが、販売価格が高価であるため、貸与点数も高値になります。そうなると他に必要なサービスにも影響していきます。) ■しかし、臥位から筋緊張制御を行い姿勢全体を変えてしまえば、普通型車椅子でも十分座れるようになります。 ■これがポジショニングからシーティングを行う原理です。 無重力疑似空間がリラックス環境をつくり副交感神経が有意になります。 ■身体が反作用や圧を感じられない状態になる事で、身体はリラックス方向にベクトルを向け、副交感神経が優位となります。 ■副交感神経が優位になれば、交感神経支配から解放される事になります。この環境が作り出す事は、筋の緩み、筋緊張の緩和、心拍数・呼吸数の安定、摂食や排泄、睡眠等の改善です。 身体全体にかかる圧が数mmHgとなる。身体にかかる圧が骨を作り、循環が発生し、呼吸を行ないます。脚は大地を踏み、その安定から体幹の運動や手の作業を行います。重力があるからこそ、我々は生活が出来ているはずです。しかし、障害を呈した方はこの状況が大きな負担となります。 生誕より獲得してきた地球上での重力の使い方が全く通用しなくなるからです。 これでは、真っ直ぐに座る、立ち上がる、歩く等の運動はとても難しく、生活をしていくためには、その身体状況で再び重力環境下での身体の動かし方を学び直さなくてはなりません。 それを座位からではなく、臥位から行なうのがポジショニング To シーティングであり、その理論が数mmHgでポジショニングを行なう微小反作用環境のアプローチです。 この最新の知見を共有しましょう。
日本ユニバーサル リハビリテーション協会 青木 將剛(あおき まさたか)
作業療法士 一般社団法人 日本作業療法士協会 審査員 一般社団法人 日本リハビリテーション工学協会 代議員 日本ユニバーサル リハビリテーション協会 学会指定学術責任者 第1級建築・機械CAD利用技術者 welHANDS medical 代表
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